チャートソフト乗り換え記録 その1

先週は、今まで使っていたチャートソフト「CQG」(正確には「CQG Itegrated Client」略して「CQG IC」)に替わるソフトを調査・検証していました。

6月のセミナー以降に使わせてもらっていたCQGライセンスの使用制限のためです。

CQG ICは優れたソフトですが...

他のいくつかのチャートソフトを使ってみた今から思えば、「CQG IC」(以下CQG)はずいぶんとよくできたソフトで、トレーダーの要望を見事に実現したソフトです。

チャートの複製や時間足の切り替えといったユーザビリティの点や、レスポンスの良さといった、特にスキャルピングに必須の素早い操作が必要なトレードにはなくてはならない機能が充実しています。

そういう意味では、このCQGはベストの選択になるわけですが、いかんせん使用料の高さが大きなネック。

基本使用料だけでも月額600ドル近くなると、我々のようにまだトレーニング段階の初心者トレーダーにとっては、おいそれと手を出すことは難しい選択肢です。

(このあたり、CQGの方にご一考願えれば嬉しいですねぇ)

CQG社の製品一覧

ちなみに、CQG製品は四半期に一度価格改定がされるそうで、円安に向かっている今は、来年の1月からは日本円で値上げになるかもしれません。

そこで、CQGとまではいかないまでも、比較的低料金で同じような機能を実現できるソフトを、先週は調査していた、というわけです。

日本とは違うリアルタイムデータの利用

米国株の値動きをチャートで表示したいとき、日本の証券会社のそれとは大きく違う点があります。

それは、リアルタイムのデータを利用するのに料金がかかるということ。
日本株ではほとんどの証券会社は無料でチャートを見ることができるのですが、米国では有料なのが一般的。

そしてそれは一律の料金ではなく、株式、指数、先物、オプション、FXといった商品別に分かれているだけではなく、値動きだけなら「レベル1」を、板情報まで必要なら「レベル2」といった具合に、細かく分かれているのが特徴です。

一見すると「データだけにお金を払うのはなぁ」と思うかもしれませんが、日本の証券会社ではそれらが(必要のないものまで)ひっくるめて取引手数料に上乗せされているかもしれず、そうなると、自分の必要なデータだけを選べる米国式の方が、結果的にはコストが低く抑えられるのかもしれません。

米国では、これらのデータを提供するベンダーがいくつかあって、料金も様々。
自分が使いたいチャートソフトに対応したベンダーを選ぶ必要があります。

チャートソフトの候補

今回の調査では、まずCQGに替わるチャートソフトを選ぶところから始めました。

候補となったのは、今自分が口座を持っている米国証券会社であるインタラクティブ・ブローカー証券(Interactive Brokers, IB)のチャート。

インタラクティブ・ブローカー証券

それから、以前から何度か名前だけは聞いていたMultiCharts(マルチチャート)とNinjaTrader(ニンジャトレーダー)。

このふたつのチャートソフトMultiChartsとNinjaTraderは、利用者層が同じせいでしょう、米国では比較されることが多いようです。

無料あるいは低料金で使えること、また独自の指標をC#のような本格的なプログラミング言語で作成できることが大きな特徴です。

MultiCharts

NinjaTrader

Multichartsは大きく、「Multicharts(マルチチャート)」と「Multicharts.NET(マルチチャートドットネット)」に分かれています。

従来からあったMultiChartsは、移動平均などの指標や売買戦略(ストラテジー、売買シグナル)の作成を、「Power Language」という簡易言語で作成するのに対して、「Multicharts.NET」は、それらをより本格的なプログラミング言語「C#」や「VB.NET」で開発できるのが大きな違いです。

※Power Language
数年前に、トレード戦略をユーザー自身で構築できるのが売りのソフトウェア「Trade Station(トレードステーション)」が実装していたのが、「Easy Language」というプログラミング言語です。

(現在、この製品を販売していたトレードステーション社は日本のマネックス証券が買収しています)

この「Easy Language」は習得が比較的容易だったため、業界内でまたたくまに広がり、事実上のスタンダードと言ってもいいほどになりました。

MultiChartsが実装している「Power Language」は、この「Easy Language」とほぼ互換性を持つものです。

※C#、VB.NET
マイクロソフト社が提供するプログラミング言語です。
主に、ウィンドウズ上で動作するソフトウェアアプリケーションを作成する際に使用されます。

一方のNinjaTraderは、現在バージョンの7と8がリリースされています。
どちらも指標の作成等は、C#によります。

最近のリリースであるバージョン8では、その記述方法が少々異なっており、バージョン7のものをそのまま8で使用できるかどうかは不明。(コンバーターらしきものは存在する模様)

チャートソフトの検証

さて、これら3つ(IB証券のチャート、MultiCharts、NinjaTrader)の中からチャートソフトを選ぶことになるわけですが、その前にひとつ大きな条件があって、それは独自の指標を作成できるかどうか、ということです。

現在行っているトレード手法QM33では、少し特殊な指標が必要です。

トレンドゾーンを示すハイローバンドは、通常の移動平均とは違い、「高値」と「安値」で移動平均を計算する必要があります。

一般的な移動平均は「終値」で計算されているので、単に算出期間を変更するという手順では対応できません。

そしてもっと特殊なのは、236ガイドラインの表示。
過去20日間の値幅の平均値とフィボナッチ数から算出するこの指標は、それほど一般的ではないため、おそらく独自で作成する必要があるでしょう。

そう考えると、独自の指標を作成する余地のないIB証券のチャートの利用はできず。

残りのMultichartsかNinjaTraderしか選択肢はなくなってしまいます。

データベンダーを選ぶ

米国株をチャート表示するには、データベンダーからデータを購入する必要があることは前述しましたが、実は今口座を開いているIB証券でもリアルタイムデータ提供サービスを行っています。

指数(インデックス)のデータ「NASDAQ Global Index Data Service」と個別株のデータ「NASDAQ (Network C/UTP)」を合わせても、月額4ドルほど。

大きな負担にはならないということで、期待したのですが...

実際に、米国株式市場が始まった際、MultiChartsで使い始めようとしたところ、チャートが表示されず、また画面にこのようなエラーメッセージが表示されました。

ib_datafeed_error

よくよく調べてみると、IB証券のデータ提供サービスには上限が設定されており、多くのチャート画面を表示しようとするとこのエラーが発生してしまうようです。

QM33手法では、マーケット開始時には多くのチャートを監視する必要があります。

ロングサイドで5銘柄、ショートサイドで5銘柄、またナスダック指数と、11銘柄のチャートを、30秒足と3分足のふたつで監視しようとすると、チャートは合計で22個となります。

これだけ多くのチャートからデータのリクエストがIB証券のサーバーに送られるわけですから、さすがにデータフィード専門の企業ではないIB証券にとっては荷が重すぎる、ということでしょう。

サポートフォーラムでも、IB証券のデータフィードはそれほど強くない旨の記述も見かけました。

もちろん、こういった過酷な使い方でなければ十分使えるサービスであることは間違いないとは思います。

今回の使用目的には合わなかった、ということです。

そこで、次に白羽の矢が立ったのが、IQFeedというデータベンダー。

IQFeed

ナスダックレベル1を購読すると、基本使用料と合わせて月額で80ドルほど。
試用期間が一ヵ月ということで、しばらくこれを使ってみることにしました。

ちなみに、こちらがMultichartsのサイトに掲載されているデータベンダーの一覧です。

データベンダーの一覧

この中にある「eSignal」は割とよく聞く業者で、ポピュラーなようです。
ただ、リアルタイムデータは月額145ドルと、IQFeedと比べると割高。

eSignal

また一覧の中にCQGもありますが、CQGのサポートに問い合わせたところ、データだけの販売はしていないそう。

CQG ICの契約をすればデータの利用ができるとのことですが、そうなるとMultichartsやNinjaTraderを使わずともCQG ICを利用すればいいし、そもそもコストが折り合いません。

以上のデータベンダーの情報はMultichartsのサイトからでしたが、一方のNinjaTraderでは、「Kinetick」というデータベンダーを推奨しています。

もちろん、NinjaTraderでもIQFeedを使えないことはありませんが、価格面の安さから、こちらの使用も検討する予定です。

チャートソフトとデータフィードの候補

ひとまずチャートソフトとしては、MultichartsとNinjaTraderを使い比べ、データフィードとしてはIQFeedを使用することにしました。

チャートソフトを今の段階で決めきれていない理由は、コスト(月額利用料)と指標開発のしやすさのバランスから。

Multichrtsは、月額使用料が100ドル程度なのに対して、NijaTraderは無料(チャート表示のみでの使用形態)。

ただし、c#による指標の開発のしやすさはMultichartsの方が良さそうな印象です。

Multichartsの試用期間までには、結論を出そうと考えています。

ひとまず、この記事ではチャートソフトとデータフィードの候補が決まったここまで。

実際に使用してみた印象などは、次の記事にゆずりたいと思います。

Trade Stationを使わない理由

今回のチャートソフトの検討には、Trade Stationは検討しませんでした。

これには少し複雑な理由があります。
マネックス証券がトレードステーション社を買収し、日本株をTrade Station(以下TS)に対応したサービスを開始する際、大掛かりなシステムの刷新を行ったとのことです。

従来のシステムから大きく違うシステムを構築したそうで、日本株に対応したTSはその新しいシステムで動作しているとのこと。

今までのシステム、それは米国株をTSでチャート表示できるものでしたが、そのシステムにある口座と、新システム(日本株のTS)で動作する口座の二つの口座を同時に持つことはできない、とサポートから聞きました。

つまり、マネックス証券でTSを使おうと思うと、日本株(新システム)か米国株(旧システム)のどちらかしかできない、ということです。

自分はすでに日本株のTSを利用しているので、今回は米国株のTSを使えず、検討対象にならなかった、というわけです。

「チャートソフト乗り換え記録 その1」への4件のフィードバック

  1. 日本株はトレードステーションを使わなくてもいいのではないでしょうか。
     
    3分足しか使わないので、日本の証券会社のチャートで問題ないと思いますが・・
     

    1. はっちさん、コメントありがとうございます。

      トレードステーションですが、かんきちくんの検証にもあったのですが、30秒足の形がCQGと大きく違うのが気になるところです。
      (また236ガイドラインのずれもそうですが...)

      トレードステーションの30秒足を使うことで、エントリーする銘柄が大きく違うと、成績への影響も大きいのかなという危惧がありまして。

      今検証しているデータベンダーのIQFeedであれば、30秒足の形がほとんどCQGと同じようです。
      こちらならCQGと同じ銘柄にエントリーできる可能性は高いかと。

      この点については、もう少し検証してから結論を出そうと思っているところです。

  2. 更新お疲れ様です!

    かなり読み応えのある記事ですね~

    自身は、チャートソフトに関して

    こういったアプローチは全く行っていなかったので

    見習うべき点だと思いました。

    1. かんきちくん、コメントありがとうございます。

      チャートの形でエントリーやイグジットの判断をする以上、データの精度にはかなり気をつかわないといけないのかな、と思っています。

      その点を頭に置いて、もう少し検証を続けてみますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)